小企業SESのブラックイメージに真摯に答えてみる

採用担当者BLOG

ESS(エンジニアリング・ソリューション・サービス)について

新卒者や業界未経験者には、あまり馴染みのない言葉かもしれませんがESS(エンジニアリング・ソリューション・サービス)という業態を中心に、当社が「ITブラック企業なのか?」について採用担当者が真摯に答えてみる記事です。

一口にIT業界と言っても、その業態は様々あり、自社でオリジナル製品(パッケージシステムやアプリケーションソフトウェア等)を開発して、それを販売~サポートする事を主業とする会社も少なくありません。また、エンドユーザー様に対していわゆる「ホームページ」=WebSite=の開発提供に特化する会社も多くあります。

当社でも、オリジナル製品(例えば、英語ヒアリング支援ソフトウェアなど)を開発し、それを販売することを事業の一つとしていた時期もありましたが、現在は、2001年の創業以来、一貫して続けているESS(エンジニアリングソリューションサービス)を事業の柱として、情報処理業界や地域社会に貢献しています(「貢献出来ているのではないでしょうか」と思っていますけど何か?・笑)。

そもそも『ESSとは?』

建設現場に例えて大雑把に言えば、プログラマが大工さんやとび職人さん。SEが設計技師。そして、PLが棟梁で、PMが現場監督責任者。大雑把過ぎて建設業界の人に叱られそうですが済みません。

お客様の環境(土地)でビルや邸宅を建築する技術者さん達の多くは、自社内で仕事をすることは少なく、建築現場が仕事場である場合が圧倒的に多い。ESSも同様です。当社の社員は、常に、お客様の環境下(現場)でシステムの構築や運用を行っています。

ココまでは何となく理解出来る話だと思いますが、建設や土木分野などと同様に、IT分野に於いてもその仕事の規模に応じて、自社だけで出来ることと自社だけでは出来ないことが生じます。

巨大ビルや空港、トンネルなどを建造する仕事に対し、当社のような30人程の企業だけでそれを受注して造るなんてことは不可能です。また、巨大企業だけでその仕事をこなすことも出来ません。巨大企業は巨大企業で、多くの仕事を受注していますから、特定の一つの仕事を得るために全社員を待機させておくなんてことをしません。そんなことしてたら、その巨大企業はすぐに人件費倒れして潰れます。

ですが、巨大プロジェクトはそれに見合う資産体力を有する巨大企業が中心になって請け負うことが当然と言えば当然。中小企業だけでは、仕事成果の入金があるまで待てるわけがなく潰れます。

というわけで、巨大案件に関しては、一次請け企業(大企業)~二次請け企業(大規模ESS企業)~三次請け企業(中小ESS企業)~・・・という仕事の受発注構図にならざるを得ません。

いわゆる、「元請け」「下請け」「孫請け」「曾孫請け」「玄孫請け」・・・と言われる受発注形態で在り、何も知らない人達のイメージ的には、「下請け」でさえ『ブラック』と云われることがあり、「孫請け」以下では『(ブラック過ぎて)話にならん!』というのが世間の”厳しい”評価です。

収入格差や世間の目は兎も角、昨今は特に、セキュリティ事故(情報漏洩など)を招き易い悪因として「多重請け」過ぎることを発注側も嫌う風潮になっています。

現在は、役務提供の範囲は『準委任』や『派遣』まで等、法整備も進み、罰則も強化されるなど、労働環境改善(最低賃金見直しなど収入面を含む話)や事故防止対策(セキュリティ事故含む安全対策)の動きが加速化され、建設現場やIT現場も、「四次請け」や「五次請け」などは見えなくなった・・・と思われます。

当社のESSも、準委任』契約と社員派遣』契約のみとなっています(※『社員派遣』の9割は正社員の派遣であり、残り1割も無期契約社員の派遣に限られています)。本音で言えば『派遣』サービスは一切止めたいのですが、巨大プロジェクトに参画して先端技術を手に入れようと思えば、『派遣』での参画も致し方ない面があり、それは労使合意のもとで割り切って受注しています。

SES中心で、社員の人事評価(キャリア・パス)を正しく行えるのか?

『SES』や『派遣』で現場勤務することまでは理解出来たけど、お客様現場が多岐にわたり、案件も様々、開発手法やプログラム言語も違う。そもそも、自分で選んだ現場ではなく、営業が受注して来た現場に「勝手に」押し込まれる。しかも、売上も利益も(誰が行っても)ほぼ同等では?そういう会社で、どのようにして人事評価(キャリア・パス)されていくのか不安である。

以上のように、常に、ネガティブな仕事イメージや将来不安が付きまとうのもESS企業の現実です。

常に客先にいて、評価の最終決済者(社長)と顔を合わすことも殆どないばかりか、直属の上司(部課長)とも別の現場である場合は、正しく評価される気がしない。SES中心で働く多くの労働者に共通する思いだと受け止めています。

「当社はそうじゃない。当社だけは違う」なんて、言葉だけで信用されることなどあろう筈もない。

確かに、評価者(上司)と同じ現場ではない場合、同じ現場の先輩社員が正当に評価してくれているのか、そもそも「人の評価が出来る人なのか?」という不安が生じる場合もあるでしょう。そういう不安を払拭する為に、当社は、各部署のマネージャー(課長、若しくはそれに準ずる者)が定期的(最低月1回)に所属社員と面接・状況ヒアリングなどを行い週報、月報として社内に届けています。また、発注先の(評価の)声も定期的に聞き入れて、評価に組み入れています。

また、現場や案件の違いによる評価格差を生まないよう、ベンダーのスキル資格取得(言語やツール、DBなど)や、公的資格(基本情報処理、応用情報処理、他)などを取得した場合は、社内規定に基づき毎月の給与に「資格手当」を反映させますし、取得資格レベルに応じた難易度の仕事を用意します。

チームを率いる事が可能なレベルに達した社員には「リーダー手当」などもありますし、一定の基準に達した社員には、管理職(課長以上)としての職位を与えます(現在の技術部署には、課長3名+次長1名が在職)。

文言だけでは判断し辛い面があるでしょうし、他社よりも優れた人事評価制度があるとは言えません。が、SES中心の企業にありがちな「ベテランが少なく、若手ばかり(使い捨て)」とは正反対で、当社は、離職率が低く社歴の長いベテランSEが多く在籍しています。

従業員の社歴が長い=技術領域の固定化=成長の鈍化・・・という負のスパイラルに入り込むことを避ける為にも、新しいスキル、新しい視点(発想)を持つ人たちを採用し続けることが欠かせません。

今から10年後、否、もっと早く5年後には、当記事を目にした誰かが当社の中心メンバーとして陣頭指揮している。そういう未来を思っています。是非、当社に来て下さい。宜しくお願いします。〆